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Fig-4 利用計画に沿った代替案の抽出【第2段階】

Sampling flow for making alternatives

(4)効果による代替案の選択【第3段階】
Fig-5に第3段階の検討フロー図を示す。主な特徴を整理すると次のとおりである。

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Fig-5 代替案の選択【第3段階】

Selection flow of Mitigation Projects

?代替案が一つであれば、その代替案によって環境改善工法を実施し、抽出された代替案がない場合には、他の代替地域において環境改善を行う。その場合、環境改善を行い得る代替地を選定し、代替地で得られた環境度の増加分を利用計画で実施する地域の環境度の増加分に相当すると考え、代替案の検討を行う。ただし、代替地の選定や代替案が抽出されなかった場合には、利用計画自体の見直しを行う。
?代替案が複数ある場合には、次の2とおりの方法で検討する。
a)費用対効果によって検討する方法
利用計画の目的が環境改善の場合は、環境度の増加量(?e)と環境改善工法に要する費用(c)との比が最大となる代替案を選択する。
?e/c→Max
?e=((?p)2+(?d)2)1/2
ここで、?p:景観度の増加量
?d:動植物生育度の増加重
また、環境改善工法が開発行為による補償であるような場合では、費用最小の代替案を選択し、環境改善工法を実施する。
b)環境創造の目標区分(空間価値)によって検討する方法
利用計画が実施される地域の現況の用途区分の指定状況(開発・保全・保存区域の指定)と、用途区分毎に別途設定された総合利用の行動方針に基づいた目標区分への移行状況、

【現況の区域】【目標区分の領域】

・開発 → (開発、保全、保存)のいずれか
・保全 → (開発、保全、保存)のいずれか
・保存 → (開発、保全、保存)のいずれか
に基づいて、現況の環境度を目標区分の領域まで移行する環境改善工法を選択する。
4. 選定方法の適用性の検討
T地区の海浜公園基本計画4)(親水公園)に提案した環境改善工法の選定方法(フロー)を適用し、その有用性について検討する。
(1)環境改善工法の必要性の検討【第1段階】
T地区海浜公園の計画水域の現況の景観度と動植物生育度を、Fig-1のポテンシャルツリー、ならびにFig-6に示す動植物生育度と景観度の評点設定(抜粋)に基づいて算出すると、現況景観度pは1.56、現況動植物生育度は0.48となった。これらより、現況環境度の空間配置をを示すとFig-7のとおりである。
これより、T地区の環境度の空間配置(Fig-1参照)は、『開発空間の中で、ある程度の利用が進められており、自然的価値の低い空間』に位置づけられる。
ここで、T地区海浜公園基本計画では、計画水域における独自の環境改善条件が次のように設定されている。

 

 

 

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